「地政学」とは何ぞや?①

学問

最近、ちらほら聞くことの多い地政学
小説のネタのため、少し勉強してみました!

なお、この分野で大学で研究とかしたわけじゃないので、あくまで素人の意見として「ふーん」程度に聞いてください!(日本の大学では、学べない学問ですが・・・。理由は後述します・・・。)

地政学とは?

地政学(ちせいがく、英: Geopolitics)は、地理的な環境が国家に与える政治的(主に国際政治)、軍事的、経済的な影響を、巨視的な視点で研究するものである(by Wikipediaさん)。

平たく言ってしまえば、国の地理的な性質と、国の影響力・強さを結びつける学問のようです。

ここで疑問となるのは、国家の地理的な性質って何?という事と、それと国家の影響力・強さってどう結びつくの?ってことだと思います。それについて簡単に説明していきましょう!

そこで、まず必要なのは「国とは何ぞや?」という観点です。これを解決することで、上の疑問に答えることができます。

国って生き物なの!?ー国家有機体説

『国』というモノのとらえ方として、「国家有機体説」なるものがあります。
これって平たく言うと、「国って生き物なんですよ~」っていうとらえ方なんですね。

気候による影響

例えば皆さん、砂漠地帯を頭に思い浮かべてください。水も少ない砂漠地帯では、サボテンやラクダのように、少ない水でやりくりできる生存戦略の生き物がたくさんいますよね~。

それって人も同じじゃないですか?

砂漠地帯に住んでいる人が、日本に住む我々のようにジャバジャバ水を使うでしょうか。「さぁ部活疲れたし、シャワー浴びよう!」「湯舟に満タンに水ためて、溢れかえらしたるで!」、とそんなことをして居れば、干からびて死んでしまいます・・・。

つまり、人の生活様式や文化・そしてそれらの集合体の「国家」は、地理(気候)によって変わってきそうです。これに、異論がある人は少ないでしょう。でも生物が関わる環境ってそれだけじゃないですよね!

エサ(資源)による影響

食物は生物にとって必要なものですよね。生物は食物をとるために様々な生存戦略を練ります。

それは国家も同じでは無いでしょうか

特に資源小国の日本に住んでいる有識者の人は、よくわかると思います。
もし日本が、自国内から石油がジャブジャブ出る国だったら、わざわざ中東から石油を輸入する必要がなくなりますよね。そうなると、もしかしたら今のような貿易立国にはなっていないかもしれません・・・。

その証拠に・・・かどうかはわかりませんが、ジャブジャブ石油が出る中東諸国では、製造業は非常に貧弱です。やはり、資源や食料といった地理的な要素も国の性質に影響しそうですね。

周辺の動物(国家)による影響

最後に外せないのが、周囲の環境です。例えば、外敵がいない環境と、外的がそこら中をウロウロする環境。生物の生存戦略はその両者で異なってきますよね。

それは国家も同じことです。

周辺の国家、そしてその国の強さ。それは国家にとって影響を受ける要素だと、地政学では考えられています。確かに歴史上の超大国の近くにある国家と、周囲に強大国がない国家では、その振る舞いや国の性質が変化しそうですね。

このように、国家の性質は、国家のおかれた地理的条件に多大な影響を受けそうです。

国には格差がある

世界に190ヵ国以上あるといわれている国家。その性質は平等ではありません。国家には豊かな国と貧しい国が存在します。

富める国と貧しい国

一人当たりGDPや、人間開発指数など、国家の豊かさを測る指標はたくさんありますが、それらの結果を見ても国家が平等ではないことがわかります。

日本のように、女性や子供が一人で夜に出歩くことができる安全性・水道や下水道などのインフラ設備・生活保護制度や国民皆保険制度のようなハイレベルな福祉制度が充実し、貧困層と自称する人でさえスマホを持ってTwitterで愚痴ることができる国家もありますが、国民の大半が数百円規模の生活費で暮らしている国もあります。

国の性質は様々で平等ではなく、その国の性質は地理的な影響を多大に受けるものです・・・。

ゆえに地政学では、地理的な性質が国家の豊かさや強さに影響を与えるのでは?と考えられています

国家の性質に多大な影響を与える地理的な要素が、国家の性質の一つである豊かさや国力にも影響を及ぼすだろうという思考からですね。

貧しい国はどうすればええんや・・・

では、貧しい国はどうすれば良いのでしょうか。
地理的な要素は動かすことはできません。「ほな、別のところに移りますわ」と国家が足を生やして、そそくさと逃げることは出来ないのです笑。

じゃあやることは一つしかありません。それは・・・

富める国から富める理由の国土を奪えばよいのです。

例えば、海峡や肥沃な土地や人口密集地、工場地帯など。その国が豊かになった、地理的な要因があるはずです。
それを考察し、奪います。

このように、地政学はしばしば戦争計画に利用されてきました。

日本の大学で地政学を教えない理由

前述のように、地政学はしばしば戦争に利用されてきました。ゆえに、平和憲法を標榜する日本では、このような学問の研究・学習は行われていません・・・。

ただし、軍国主義だった戦前の日本も、地政学の研究は、実はそんなに行われておりませんでした。地政学を含めた地理学の講座は、京都帝国大学(現在の京都大学)では1907年に、東京帝国大学(現在の東京大学)では1911年に漸く設置されましたが、その後も毎年の卒業生は1, 2人程度だったそうです。

1930年代・1940年代になって、漸く卒業生が一定数集まりだすと、地理学の地位向上のため、戦争を利用しようとする研究者が現れます。ここで、海外の地政学の知識が存分に生かされてしまったわけです。

ゆえに、日本ではこの時に「地政学=戦争」というイメージがついてしまったそうです。

地政学って要るんかな?要らないんかな?

地政学は要るかどうかわかりません。ただ、地理的な感覚を持っていることは必要だと思います。

個人的には逆に国民がもっと地理を実感していれば、あの戦争も回避できた可能性があるかもしれないと思っています・・・。(僕は右翼ではありませんよ笑 国のために死ぬなんて絶対嫌です笑)

アメリカ合衆国の大きさ、国力、そしてアメリカ本土までの遠さ。知識として持っていても当時の日本人(むろん今の日本人もですが)は、それがどのぐらい重要な要素なのか認識していなかったのではないでしょうか。

ただ、当時の国民は馬鹿だった、と投げ捨てるのは早計です。

なぜなら現代の日本人の我々も、地理的な実感を持っていないからです

その証拠に、日本が多くのエネルギー資源を海外からの輸入に頼っていることは知っていても、それを運ぶ海路の長さも、石油を輸入する国の遠さも我々は実感できていないからです・・・。

「いや知っとるわい!」という、そこのあなた。一つクイズを出します。

日本が石油の大半を輸入しているペルシャ湾から、日本への海路は、東京-大阪間の距離の何個分でしょうか?

どうでしょう?意外と知らないでしょう?僕も知りませんでした笑

石油は遠いところから輸入している」という知識を持っていても、どれぐらい遠い距離なのかという実感を持っていないという事です。

この海路が遮断されるだけで、日本という国が亡びるにも関わらず、です。

因みに、ペルシャ湾への海路は、マラッカ海峡経由で6590海里。約12200キロメートルです。東京大阪間は約500キロメートルですので、問題の答えは、約24個分になります。

結論

ざっと地政学の概論について説明してみました。因みに、まだ実践的なことは何も説明してないです笑。

次の章の説明では、過去の地政学の研究と照らし合わせながら、具体的な国家がどんな特徴を持っているのかを見てみたいと思っています。

それでは、またお会いしましょう!さようなら!

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